初めての海外旅行一人旅
47歳のとき、一人でイギリス・ロンドンに行きました。9月後半の時期に、3泊5日の弾丸プランで行きました。全くの個人手配での旅行は、初めてで、行く前からドキドキでした。とりあえず、行ってしまえば、なんとかなる、とは思っていたのですが、それまでが大変でした。
海外旅行自体は、初めてではありませんでした。ただ、それまでは、家族や職場の友人など、誰かしらと一緒でしたし、海外旅行の仕方そのものも、添乗員さん付きのツアー、とか、フリープランだけれど、現地空港まで係員が出迎えてくれる、とかといったもので、海外旅行独特の緊張感はあっても、何かに対して強く不安に思ったことはありませんでした。
なぜ、イギリスにしたか、というと、とりあえず英語圏、しかも、治安はアメリカほど悪くなさそう、ということ、比較的安い直行便のチケットがとれそうだったこと、その理由につきます。そして、なぜ、一人だったか、というと、家族は都合があり、難しかったこと、友人を誘うにも、自分の休みに合わせて、というのは気が引けて、面倒だったからです。
海外は初めてじゃなくても一人となるといろいろ不安が
航空券を予約して、そして、ホテルを予約して、という作業をし終わってから、だんだんと、それまでの海外旅行のことを思い出してきました。入国審査ってどうすればよかったんだっけ?何を聞かれたんだったけ?入国書類って何か必要だったっけ?といったことを考えているうちに、私って大丈夫?と思うようになりました。
英語はたしかに学生時代、学びました。ですが、それははるか昔の出来事です。洋画も、洋楽も好きです。でも、それは日本語字幕があったり、リズムのノリがよかったりするだけで、英語がわかるわけではなかったのです。そこで、準備を始めました。
昔の人間ですから、最新の機器などは使えません。そのため、最初にしたことは、海外旅行に必要な英語、といった本の購入です。ですが、それで勉強をしようと思ったわけではありません。そのなかから、必要なフレーズを抜き出し、単語帳に書く、というやり方です。で、いざとなったとき、それをみせて対応をする、というものです。特に、入国、出国関連の手続きに関するもの、乗り物の乗り方、ホテルへの帰り方に関するもの、食べ物の注文やお金の支払いに関するもの、買い物に関するもの、こういったものです。
英語を話せない自分が海外旅行用に作った単語帳は役に立たず
そうやって準備をしたのですが、実はこれは全く役に立ちませんでした。一つは、あまりに不安すぎて、単語帳がとても分厚くなってしまったので、いざというとき、どこを開けばいいのやら、の状態になってしまいました。そして、いざというとき、そのようなものを開いている時間的余裕はない、という状態でもありました。これは、英語の音声の出る、電子辞書も持って行っていたのですが、そのようなものを使う時間的猶予がなかったというわけです。
一番最初にそれを痛感したのは、入国審査です。まず、日本人の団体客のいるレーンにならび、あわよくば、全く私には関係のない添乗員さんであっても、助けてもらおう、と思った次第ですが、そう都合よくはいかず、別のレーンにならばざるをえませんでした。
観念して、入国審査を受けましたけど、そこで聞かれる内容は、ほぼ決まっている、そう思っていたにも関わらず、何日滞在するのか、その英語が聞き取れなかったのです。言い訳をさせていただくなら、ちょっとなまりのある英語だった、ということでしょうか。私が、困った顔をして、日本語で、えっ?なんて言っているんだろう、とぶつぶつつぶやいでいたら、とてもゆっくりなスピードで行ってくれ、あ~、そういうことね、とようやくわかった次第です。そうやって無事入国審査をくぐりぬけ、入国をすることができました。今となっては良い思い出です。